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まとめ、グランドピースの付いた蓋を貫通させた。これにより内底板に直接多くのグランドピースが付くのを防ぎ、撤去時にはグランドピースの付いていない蓋と交換するだけとなった。
(4)ホールド内の波浪変動圧計測点ではサイドフレーム間にカーリング部材を設け、盃を計測したが、次の点を考慮しカーリングをボックススチフナにして裏面にゲージを取付けた。
・積み荷の衝撃や摩擦からゲージを保護する。
・ホールドの水洗い時の衝撃からゲージを保護する。
・積み荷がカーリングの周囲にたまらないようにする。
ホールドフレームの応力計測点も同じ理由からフレームのフェースの裏面にゲージを取付けて、保護カバーを取付けた。
(5)縦曲げ計測点には電路パイプのサポート等にボルトナットで取付けるタイプの保護カバーを製作し取付けた。さらに、保護カバーの内面に端子箱を取付け、デッキ上に取付けたゲージの上にかぶせるように設置した。船体中央部の加速度計測点には保護カバー付きの加速度計取付け台を設置した。

 

2.4 波浪計測法

実際の海域で船舶が遭遇する海洋波の方向波スペクトルを推定するには、船を方向波の観測に用いる観測ブイ(例えば、Heave/Pitch/Roll buoyなど)と見立てれば良い。しかしながら、船体が前進速度を有する場合については、未だに標準的な手法は確立されているとは言い難い。ここでは、橋本ら1)によって開発されたEMEP(Extended Maximum Entropy Principal Method)をもとに、追波状態までを扱える方向波スペクトルの推定法を新たに提案し、数値シミュレーション並びに水槽実験により、提案手法が追波状態も含めて高い推定精度を有することを示す。なお、本手法による実船試験データの解析結果については4章で示す。
(1)数値シミュレーション例
シミュレーションの対象としては、図2.4.1に示すスターアレイが一定速度Uで進行している場合を想定する。スターアレイは、波高計アレイによる方向波スペクトルの観測で、4台の波高計を使用する場合の最適配置の一つ2)とされているものである。本推定法の分解能の例を図2.4.2に示す。図は絶対周波数fと出会い角χについて方向波スペクトルの形で示してあり、“Input”と表記されているものが入力した方向スペクトル、“Estimated”と表記されているものが本推定法によって推定された結果である。図にはEMLM3)(Extended Maximum Likelihood Method)で推定した結果を併記している。図から判るように、本推定法による推定結果は、わずか4成分の情報から、追波状態を含めて、一方向波、二方向波とも明瞭にピークをとらえ、エネルギー分布も入力値をほぼ再現できている。
(2)水槽実験データによる検証
使用する水槽実験データは、谷澤ら4)によって報告がなされているVLCCの実験データである。供試模型を図2.4.3に示す。図中に示す4箇所の点(RW−1、RW−2、RW−3、RW−4)で計測した相対水位変動を用いて、本推定法により方向波スペクトルを推定してみる。フルード数Fn=0.131、波長船長比λ/L=0.75の結果を図2.4.4に示す。推定された方向波スペクトルを絶対周波数fと出会い角χについて示したものである。図より、いずれも明瞭に入射波が検出されていることが判る。図2.4.5は、相対水位変動から推定された入射波の波向χ0’と実験の際に設定された波向χ0の比較を示したものである。両者はよく対応しており、本推定法が高い方向分解能を有していることが、この結果からも裏付けられている。図2.4.6は、入射波のスペクトルから推定されたモーメント√m0と相対水位変動から推定されたモーメント√m0の比を示したものである。図から向波状態では、√m0と√m0’とはほぼ一致しているものの、追波状態では定量的な差が見受けられる。推定に用いた応答関数の計算値推定精度が不十分なために生

 

 

 

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